ハプニングだらけの量産試作⑤


前回、心優しい佐藤さんの力を借りてどうにか試作ラインに辿り着けた私。
いよいよ人生初(そして最後の)量産ラインでの試作が始まる!!
今回の試作では、金属粉が入ったペーストをコーターという装置に流してフィルム状に成形します。
このペーストに入った金属粉ってのが厄介で、比重が重たいからペーストの中で沈んで凝集しちゃったりするんですよね。
なので、凝集せずに均一な厚みのフィルムを成形できるか、フィルム塗布中に不具合は出ないかの確認をしつつ、製品化に向けてスペックが一緒のシートを大量にゲットするのがこの試作の真の目的です。
実験室で作るサイズのフィルムだと、良い結果・悪い結果が出たのがサンプル間のバラつきによるものか判断できない時が結構あるんです。
なので製品化に向けたデータ採り、例えば耐候試験や長期高温試験、高温高湿試験などをする時は同じ品質のものを大量に作って、その中で比較しないとよくわかんない結果になっちゃいます。
そんなわけで始まった量産試作ですが、人間が関わるのってペースト入れる時と投入部の清掃時、後は巻き取ったロールの取り出しくらいなんですよね。
暇。とにかく暇。
しかも1日でまとめてやっちゃうぞー!ってことで、朝から夕方まで8サンプル流すことになっていたので本当に暇。
もはやお昼休憩しか楽しみがない。